Columm2


聴くことがピアノの上達のカギです

話すように弾くということは、音楽を表現するのにとても大切なことです

話すときに、早口言葉のように、早口で話すことが大切なことではないように、
演奏するときに、指がまわることが大切ではありません。

何を伝えたいのかを、頭でまとめて演奏して伝えることが大切なことです。

言い換えれば、演奏者は、作曲家たちの通訳、翻訳者でもあります。

曲の中に、その作曲者の当時の心情や時代背景、ある時は、
好きな人だった女性のアルファべットが
組み込まれていたりしていることまでも、楽譜から読みとっていかなければなりません。

楽譜の中には、音の長さやリズムにも意味があり、それを理解して、はじめて
話すように弾けるようになるのです。

話すように弾けるというのは、呼吸が自然であるということで、イコール聴いているということになります。

”聴いている”つもりでも、楽譜を理解していないと、”聞いている”だけになってしまいます。

本当に、音の長さを正確に弾いているでしょうか?鍵盤にその長さだけ、
手をおいているだけで、呼吸はその長さにのびているでしょうか?呼吸が自然だと、
どんなに難しい曲でも、話すように演奏することができるようになります。

それが、呼吸が自然=”聴いている”ということなのです。

”聴く”ということは、技術です。
簡単に”聴いているよ”と言っているのは
つもりになっているだけです。

例えば、画家の”観る目”と普通の人の”見る目”に
大きな差があるのと同じです。

毎日、見ている信号を、今、何のくるいもなく、正確に描きなさいと言われて描ける人はいるでしょうか?

光の色を正確に、描けるでしょうか?
画家が”観える”細部まで、普通の人が気付けるでしょうか?

答えは、NOですね。
音楽も同じことなのです。
”聴く”技術こそ、上達に必要なことなのです。

生徒さん達の”聴く”技術を磨くのに、
私が力になれたらと、いつも思っています。

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